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全ての子どもの健やかな発達のために 子育てナビゲーション!、浜松市教育委員会

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子育てナビentrance

よりよい子育てのために

 子育ては、とても難しい営みです。
 その理由の1つに、練習できないことが挙げられます。
 もちろん大家族で住んでいるお宅では、親戚の子育ての様子を間近で見る中で、子育ての流れや方法を知ることができます。三世代同居のお宅では、おじいちゃん、おばあちゃんが子育てについてアドバイスをしてくださることも多いでしょう。(子育て文化の継承です)
 しかし、現在、核家族が増えており、実際にお子さんが生まれるまで、赤ちゃんを見たことがない、触ったことがないというお母さんが増えています。また、身近で子育ての様子を見たとしても、お子さん一人一人に個性があり、発達の流れも違っていますから、他のお子さんの育ちに関わったとしても、それが次の子育ての練習になるとは言えません。よって、子育ては一発勝負であり、そこが子育ての難しさです。

 【子育てをうまくやるための3つの原則】
・ 協力を得る/協力する
 子育ては難しい営みです。母親であろうが、一人で行うことはとても難しいです。夫婦や家族が協力して、お子さんの健やかな成長を促すことが大切です。
 もちろん中には様々な事情によって、母親が一人で子育てを請け負わなければならないこともあるでしょう。しかし、そんなときこそ、協力を得られる誰かが必要です。親戚、友人、知人だけでなく、保育園や公的なサービスを積極的に利用することが大切です。
 子育ては難しい営みです。特にお子さんが赤ちゃんの頃は、二十四時間体制でお世話をしなければなりません。このとき、誰も協力してくれないと、親と子どもが孤立し、虐待まではいかないまでも、不適切な養育のリスクが高まります。子育てに協力を得ることは、母親自身だけでなく、お子さん自身のためにも重要です。
 周りの方々も、子育てに頑張っているお母さんに対して、協力の手を伸ばしてください。そのことが社会全体の未来につながります。

 『より良い方法』をとる
 子育ての方法は、その人が育てられてきた過程の影響を受けると言われています。つまり、一人一人の「子育てスタイル」というものがありますし、さらには家庭ごとに「子育て文化」というものが継承されていきます。(国や地域によっても違いがありますね)
 こうした「子育てスタイル」「子育て文化」を全て否定するわけではありませんが、一つの方法にこだわってしまうことの危険性は知っておく必要があります。子育ての対象は、あくまでも「子ども」。子どもは一人一人、様々な個性があります。また社会はどんどん変化しており、子どもも親も、社会からの影響を受けざるを得ません。
 ですから、「子育て」をより良くするためには、一つの方法にこだわらず、様々な情報を得て、より良い方法を探していくことが良いでしょう。
 中でもお勧めしたいのは、@専門家に相談する、A子育てに役立つ理論を学習する、の2つです。
 @の専門家には、保健師、保育士、幼稚園の教師など、日常的に子どもと接することが多い職種の人が挙げられます。やはり多くの子どもの育ちをみていますので、客観的な情報を持っている方が多いように思います。もちろんその他にも子どもに関する専門家(小児科医、児童精神科医、臨床心理士、臨床発達心理士等)がいますし、資格がなくても子育てに関する知識を豊富に持っている方もいます。こういう専門家には、ぜひ具体的な方法を聞いてください。「子どもが〜〜なとき、どうすればよいですか」「子どもが〜〜のとき、私は==しています。そうすると〜〜なります。もっといい方法はありませんか」と聞き、さらに家庭の状況、保護者の考えをお伝えすると、すぐに使える情報を得られると思います。
 A子育てに役立つ理論として、「行動理論」があります。これについては、下記に簡単に説明してありますのでお読みください。ただし、こうした理論は万能ではありません。その根底に、正しい子ども理解があることが重要です。期待された効果が出ない場合は、やはり専門家に相談する方が良いでしょう。

 楽しむ
 子育ては、難しいですが、とても楽しいことです。大切な我が子の成長、一つ一つのかわいらしいあらわれに、お母さん、お父さんはもちろん、御家族みんなが幸せを感じることができる営みです。中でも乳幼児期のかわいさは格別で、その時間も数年しかありません。子どもが子どもでいてくれるこの貴重な時間を十分に楽しむことが、御両親の人生にとっても重要だと思います。
 しかし、経済的な事情、家庭の事情等々で、子育てが苦しくなることもあります。特に子どもが小さいうちは、病気をすることも多く、何かと手が掛かります。お母さん、お父さん御自身が身体的にも精神的にも疲れ果ててしまうことも少なくありません。
 こうしたときは、「子育てを楽しむ」ことができる体制を作るために、まずは保護者の健康を優先するべきです。必要に応じて支援を受けて(一時預かり、祖父母の協力等)、お母さん、お父さんが余裕を持って子育てを行える環境を作る必要があります。
 特に母親の中には、「子どもが第一」と思うがあまり、自分の時間も健康もないがしろにする人がいますが、これは勧められません。お母さん、お父さんがニコニコとしていてこそ、お子さんも心の底から楽しい毎日を送ることができるはずです。お母さん、お父さんが自分の精神的、肉体的健康を保持できるように、上手に役割分担をしたり時間配分を考えたりすることが良いと思います。
 「今、自分は子育てを楽しんでいるだろうか」・・もしもこの質問に笑顔でYESと答えられるなら問題ありませんが、そうでない場合は、今一度、子育ての体制を確認してみてください。そして、お子さんとの時間を十分に楽しんでください。


行動理論を使おう

 我が国ではあまり知られていませんが、子育てや教育の方法に関する研究はかなり進んでいます。行動理論と呼ばれるものがその基本となっていますが、ここでは、その中から、最も大切であるが故に、当たり前だと忘れがちなことに注目してみましょう。

ある行動を増やすには・・・
 ある行動が好ましいとして、その行動を増やしたいと思ったとき、どのようにすればよいですか?(例えば、食事の時に「座って食べる」行動を増やしたいとき)
 この回答はとてもシンプルです。
 ある行動を増やしたかったら、その行動をしたときに「何かいいこと」が起こるようにします。簡単に言うと、「ご褒美をあげる」「ほめる」ことによって、子どもはその行動を繰り返すようになります。
(「座って食べる」ことができたら、「すごいね!」「お利口だね」といってほめる。好きな食べ物をご褒美として与える)
 ここで確認して欲しいのは、子ども大人も、「ほめる」などの「ご褒美」があると、「自分からやるようになる」ということです。
 当たり前ですが、とても大切なことですから、忘れないでください。(逆に言うならば、ほめないと、その行動は増えにくいです)よくある間違いは、「あたりまえのこと」だからほめない、という大人の姿勢です。
 考えてみてください。大人にとっては当たり前のことでも、子どもにとっては当たり前でないことが多いです。なぜなら、子どもは生まれたばかりで、経験が少ないです。よって「当たり前」を「当たり前」にしていくには、その行動(大人が当たり前だと思っている)をしたら、徹底的にほめなければなりません。何度もほめることで、その行動を「当たり前」にしていき、最終的にはほめなくても「当たり前」にできるようにします。
 しかし、子どもですから、「当たり前」にできるようになったことも、やらなくなることがあります。そのときは、「この前までできていたのに、やめるなんて、ダメじゃないの」と叱るのではなく、もう一度、ほめることに戻るのが正解です。一度、覚えたことであるならば、ちょっとほめて確認するだけで、すぐに元通りになるはずです。

ある行動を減らすには・・・
 逆に、ある行動が好ましくなくて、何とか止めさせたい、その行動をはらしたいと思ったとき、どうすればよいですか?(例えば、食事の時に「手づかみ」で食べることをやめさせたいとき)
 この回答で、すぐに思いつくのは「叱る」「罰を与える」ということです。これは正解ではありますが、子育ての場に限っては、極力避けるべきです。これは単に「体罰」や「虐待」に発展しやすいとか、「暴力」が許されない社会だから、といったような意味ではありません。もちろんそうした理由も大切ですが、実はこの「叱る」「罰を与える」という方法には深刻な副作用があるからです。
 副作用の1つは「叱られる」「罰を与えられる」行動に慣れるということがあります。つまり、「叱られる」「罰を受ける」ことが当たり前になり、叱責だけでは効果がなくなります。すると、今まで1度叱られれば言うことを聞いていたのが、それだけではダメになり、結果として、「叱る」「罰を与える」ことがエスカレートし、「叱っても言うことをきかない子」「罰を与えても、平気な子」を作ることになります。(例えば、「手づかみ」で食べていて叱られても、平気でそのまま「手づかみ」で食べ続けてしまう。結果、言うこときかない子と思われるようになる)
 副作用のもう1つは、「叱る」「罰を与える」ことをした人と、その人に関係する物全てを避けたり嫌いになったりすることです。私たちも子どもだったとき、すぐに叱る人を避けていたと思いませんか?また、すぐに叱る先生は、その先生が教える教科まで嫌いになりました。これと同じことが起こります。しかも、その「叱る」人が親だった場合、子どもの中には深刻な葛藤が生まれます。「僕の大好きなお母さん」が「自分を叱る」と、「叱る人は嫌いだけど、お母さんは大好き」ということになり、結果として、自分の感情を押し殺したり自分自身が悪いと信じ込んだりします。これは、その場では何もなくても、大きくなってから深刻な問題となって現れます。
 では、ある行動を減らすための方法ですが、これは「他の行動を教えることで、その行動を減らす」という技を使います。(例えば、スプーンを使う行動を教えることで、結果として「手づかみ」が減る)
 実は、この「他の行動を教えることによって、良くない行動を減らす」ということは、子育て、教育の基本です。
 うるさく走り回ることを減らしたい場合には、「静かに座ること」を教えます。ただし、できないことを無理矢理やらせるのは難しく、結局、「叱る」「罰を与える」ことになってしまいますから、子どもの発達段階に合わせて、できることから教えていくことが大切でしょう。
 


心配なことがあったら

 子育てに関係して、心配なことがあったら、すぐに相談をしましょう。
 保護者の方々が孤立し、必要な情報を得られないことが、最もリスクを高めます。このHPのリンク集でも、相談を受け付けてくれる機関が紹介しています。遠慮なく、御相談ください。
 また発達障がいについては、こちらのページを御覧ください。


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